あなたは【妄想性障害】の疑いがあります。
もしこの初診を受けているのが患者さん本人であれば、それはかなり稀なことだと言って良いでしょう。というのも“妄想”とは、疑いなくそうだという確信に近いものですので、自分では妄想だと気がつかない事が多いからです。周囲の中立的な事柄を被害的に曲解する被害妄想や、自身に富や権力があると確信する誇大妄想、客観的な根拠なく病気の罹患を確信する心気妄想などがあらわれますが、人格は解体されず正常な側面を保っている点が統合失調症と異なります。
思春期から老年期まで広範に発症し、生涯有病率は0.2%とされています。外傷を含む脳の病変やアルコールを含む薬剤の影響、加齢などが原因となります。抗精神病薬で症状が改善することがありますので、原因特定と治療のため、精神科受診をお勧めいたします。