あなたは【大うつ病性障害、精神病性の特徴を伴う】の疑いがあります。
特徴・原因
意欲低下、抑うつ気分や体の怠さなどのうつエピソードに加え、気分に一致した幻覚や妄想が出現する病態です。妄想の内容は体の異常に執着する心気妄想(例:腸が腐っている、もう死んでしまうんだ)や、現実的にはそうでもないのにお金がないと訴える貧困妄想(例:お金がなくなってしまい破産してしまう、もう無理心中しかない)、現実的ではない罪悪感に苛まれる罪業妄想(例:罪を犯しているので、警察が追ってくる)などが典型的です。うつ病に分類されていますが、予後がさらに不良な病態であり、単純なうつ病とは病態基盤が異なると考えられています。
経過・予後
食事などが取れており生命維持に問題なく、自傷の恐れが切迫していない状況下であれば薬物療法を試すことがありますが、治療に反応しない例も多く、速やかに精神科に入院し電気痙攣療法(ECT)が必要になるケースも多いです。薬物療法は抗うつ薬に加えて、抗精神病薬も併用することが多く、再発率も高いため、抗うつ薬に関しては終生にわたって維持療法が推奨されます。具合が悪いのに放置していると外来にもいけないほどに憔悴し、静脈血栓症や過度の脱水、栄養不良などによって命の危険に晒されることもありますので、速やかに医療機関や保健所に相談することをお勧めします。こころの処方箋は、症状が改善した後の維持に役立つことがあります。