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経頭蓋直流電気刺激療法(tDCS)

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)とは

頭皮の電極から微弱な直流電流を大脳皮質に流し、その活動を変化させることで効果を発揮します。精神領域では*うつ状態に対する有効性が数多く報告されています。 うつ病では背外側前頭前野(DLPFC)という脳領域の機能低下があると言われていますが、tDCSでその領域を促進させることで抗うつ作用を発揮すると考えられています。似ている治療法として反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)がありますが、tDCSはTMSと比較しコストが安価で、自宅でできる治療法として注目されています。また、薬物療法と異なり全身性の副作用のリスクも少なく、安全性の高い治療としても知られています。 *うつ病、双極性障害などにおける、抑うつを呈する状態

経頭蓋直流刺激(tDCS)の有効性

うつ状態に対し、偽刺激とtDCS実刺激の効果を比較したランダム化試験のメタアナリシスでは、偽刺激に対して実刺激のほうが2.28倍奏功率が高く、2.12倍*寛解率が高い事がわかりました。 *症状が消失している状態のこと

経頭蓋直流刺激(tDCS)の安全性

tDCSは1-2mAが標準的で、電流量が強まると効果が強まる傾向があると考えられています。臨床神経生理学会の提言によれば、3mAで30分までの刺激は安全だろうとされています。報告されている副作用としては、頭皮の痛み、かゆみ、紅斑、火傷、発話の停止、耳鳴り、神経過敏やイライラなどがあります。火傷は電極と頭皮との接触抵抗が高い場合(電極のスポンジの湿らせ方が不十分である事が多い)に多く、発話の停止に関しては、通常の使用法では起きる事はほぼありません。正しく使用することで、副作用のリスクを最大限回避することができます。以下に、入手法や詳細な使用法などについて記載していきます。 ※ただし、当機器は医薬品医療機器等法上の承認を受けたものではありません。

tDCSの入手先・具体的な運用法

tDCSは安全性が高く、自宅でも使用できるのが強みです。薬物療法ほど効果的ではありませんが、多忙で医療機関に通院するのが困難な方、お薬の副作用に耐えられないなど、何かしらの原因で薬物療法が困難な場合にお勧めの治療法です。また、薬物療法で効果が不十分だった方に補助療法としてお勧めできますし、症状寛解後の維持療法として効果的な場合があります。

tDCS本体は現状、25000円程度で入手することが出来ます。

場合によっては、より安価で手に入れる事も可能です。

お勧めの入手先や具体的な使用法は、下記を参考にして下さい。