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ヨガや運動は、統合失調症患者の認知機能を向上させる可能性がある(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、ヨガや運動の、統合失調症患者の認知機能を向上させる可能性を示唆した研究を紹介します。

 

今回紹介する研究では、286例の安定した統合失調症患者に対し、

通常治療群、通常治療+ヨガトレーニング群、通常治療+運動トレーニング群に分けて注意力を評価し、

単盲検ランダム化比較試験を行いました(単盲検は、評価者から見て行為の性質を不明にして行うことです)。

その結果、ヨガトレーニング群において、注意スピード領域が改善しました。

また、運動トレーニング群においては、単独治療群と比較して注意精度領域が改善しました。

 

これらのことから、ヨガも運動トレーニングも、

ともに注意力をはじめとした認知機能を改善させる可能性があることが示されました。

なお、先行研究では、ヨガによる有害事象はなく、統合失調症の精神症状を改善させる事が示唆されています。

 

薬のソムリエ
ヨガの効果は、うつ病をはじめとした他精神疾患でも
広く認知されはじめています。
精神科病棟では、デイケアでヨガトレーニングを行ったり、
簡単な運動レクリエーションをしたりしています。
認知機能の改善にも、肥満の防止にもつながって、一石二鳥ですね。
自宅から出なくともスマホで受けられるヨガクラスもあるので、検討してみて下さい。


【引用・参考文献】
・Bhatia T, et al.A randomised controlled trial of adjunctive yoga and adjunctive physical exercise training for cognitive dysfunction in schizophrenia.Acta neuropsychiatrica. 2017 Apr;29(2);102-114.
・D Vancampfort, et al.Yoga in schizophrenia: a systematic review of randomised controlled trials.Acta psychiatrica Scandinavica. 2012 Jul;126(1);12-20.

更新:2020.5.22

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