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抗炎症作用のある薬剤は、統合失調症の症状を軽快させる可能性がある(推奨度:★★★★☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、脳内炎症を抑える薬が、統合失調症患者の精神病症状を軽快させる可能性を示唆した研究を紹介します。

 

統合失調症では、脳内炎症が重症度と関連している可能性が指摘されていました。

これまで様々な抗炎症作用がある物質の有効性が検討されていましたが、

複数のランダム化比較試験をメタ解析(複数の研究を統合して分析すること)しました。

それらのなかで、アスピリン、エストロゲン、ミノサイクリン、Nアセチルシステインは、

初回エピソード精神病(生涯で初めて精神病状をきたすこと)や早期統合失調症の研究において、

症状を軽快させることが示されました。

 

薬のソムリエ
統合失調症患者では、炎症の指標であるCRPという値が、
健常者と比較して高値になる傾向がある事が報告されています。
そのような例では、最も効果量が大きかったN−アセチルシステインから
お勧めしたくなりますね(サプリメントが個人輸入で購入できます)。
当然、それだけで十分な改善が期待できるものではありませんから、
抗精神病薬とセットで使用することが推奨されます。

【引用・参考文献】
N Çakici,et al.An update on the efficacy of anti-inflammatory agents for patients with schizophrenia: a meta-analysis.Psychological medicine. 2019 10;49(14);2307-2319.

 

更新:2020.5.22

 

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