薬物療法
・原則的に非定型抗精神病薬が第一選択となる。その際、効果より副作用を考慮することが望ましい。
・患者が希望したり、内服の手間を訴え服薬の維持が困難な場合には、持効性注射剤の適応を検討する。
・2剤以上の異なる抗精神病薬を、十分量、十分期間使用しても反応しない難治例においては、クロザピンの適応を検討する。
・副作用として、眠気や体重増加、落ち着きがなくなったり手が震えたり、口が渇く、便秘、低血圧、乳汁分泌などがある。薬剤により、それらがどれほど生じやすいかは異なる。
生理学的治療
・希死念慮が切迫する例や生命維持に必要な活動ができない例(摂食不良、昏迷)など、速やかな治療効果を必要とする場合には、電気痙攣療法(ECT)を考慮する。
心理教育
・患者、家族に対して疾患の予後や対処法について説明し、理解を助けることは服薬のアドヒアランスを高めるうえで有用である。
・インターネットのサイトでも統合失調症をわかりやすく紹介しているサイトがある。https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/
・必要に応じて患者家族のための家族教室を紹介し、意見交換の場とする。
心理社会的治療
・職場復帰を希望する患者には職業訓練、デイケアでの作業療法などをすすめ、生活技能を高めるよう支援する。
その他自宅でできる方法
・まだFDA未承認ではあるものの、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が、統合失調症の陰性症状(意欲低下や無気力を主体とする症状)に有効かつ安全との報告がある。
【引用・参考文献】
・樋口輝彦(編) 今日の精神疾患治療指針第二版 医学書院 2016
更新:2020.4.13
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