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睡眠障害の標準的治療とは?(推奨度:★★★★★)

睡眠衛生指導

・良質な睡眠をとるための生活習慣を整えることは、全例で推奨される。詳細は下記を参照。

・睡眠日誌をつけて、自らの睡眠を客観視することは有用である。
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/docs/suimin.pdf

・いびきなどが気になる場合は、ベッドや枕などの環境を整えることも推奨される。

薬物療法

・日中の生活の質の低下が明らかである場合は睡眠薬投与を行う。高齢者の場合には筋弛緩作用の少ない非ベンゾジアゼピン系睡眠薬やメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬を用いる。
・長期にわたる不眠の苦痛から、不眠に対する恐怖や不安が強い場合には、抗不安作用のあるベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いる。
・ベンゾジアゼピン受容体作動薬を用いる場合は、アルコールとの併用の絶対禁忌、服薬時刻と就床時刻について具体的指示を与えるとともに、ふらつき転倒のリスク、依存など、副作用について十分説明しておく。

精神療法

・睡眠前のリラックスのため、漸進的筋弛緩法や呼吸法、自律訓練法などの様々な技法があり、それらが有効な事もある。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/13282/00000000/relax.pdf
・不眠へのこだわりが強い場合は、〝今夜も眠れないのではないか〟という不安や恐怖感により、かえって目が冴えている可能性がある。その場合、眠るためだけにベッドを使う刺激制御法、睡眠日誌から自分の平均睡眠時間を割り出し、朝起きる時間から逆算してベッドに入るようにする睡眠制限法などを組み合わせた認知行動療法を行う。

生理学的治療

高照度光療法は自宅でもできる、睡眠障害に有効な手段である。

【引用・参考文献】
・内山真(著)上島国利(監) 今日の臨床サポート「不眠を呈する睡眠障害」
https://clinicalsup.jp/jpoc_sp/contentpage.aspx?DiseaseID=575&SearchText=睡眠障害(2017年7月31日)
・樋口輝彦(編) 今日の精神疾患治療指針第二版 医学書院 2016

更新:2020.4.6

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