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睡眠障害は食事でコントロールできる?(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、食事で睡眠障害のコントロールができることを示唆した研究を紹介します。

 

これまでも、不十分な栄養状態が不眠症に関与している可能性が、先行研究から示唆されていました。

今回の研究では、不眠症患者と栄養状態についての関連を、

米国男性15,273人(58〜93歳)を対象に2年間調査を行いました。

その結果、総エネルギー、トランス脂肪酸、ナトリウムの高摂取と、野菜の低摂取が

不眠と関連している事が示されました。

また、閉経後女性において、添加糖類やでんぷんなどの穀物を好む群では不眠症のリスクが高く、

逆に野菜や果物、食物繊維を好む群では、不眠症のリスクが低いという結果が示されました。

この結果から、血糖上昇速度が速い食物は、不眠症のリスクとなり得る可能性が示唆されました。

 

この研究論文の著者らは、この点について、

血糖値を速かに低下させるため分泌されるインスリンとともに、

アドレナリンやコルチゾールなどの、睡眠を邪魔する物質が放出されるためではないか、

と考察しています。

 

薬のソムリエ
食生活が崩れて肥満になると、うつ病のリスクがあがったり、
睡眠時無呼吸症候群を発症したりするので、いい事がないですね…。
健康的な食事が、睡眠に直結したような印象はこれまでなかったですが、
睡眠指導の一環としてやるのは悪くないかもしれないですね。
これらの論文によれば、過剰な炭水化物を避け、ビタミン類や食物繊維など
を豊富に含む食品を摂取するように勧めています。
睡眠に必要な成分を補給できるサプリメントが市販されていますので、
食生活に自信がない方は、それらを試してみるのも良いかもしれません。

 

【引用・参考文献】
・Feon W Cheng, et al.Probable insomnia is associated with future total energy intake and diet quality in men.The American journal of clinical nutrition. 2016 08;104(2);462-9.
・Gangwisch JE, et al. High glycemic index and glycemic load diets as risk factors for insomnia: analyses from the Women’s Health Initiative.Am J Clin Nutr. 2019 Dec 11.

 

更新:2020.4.16

 

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