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強迫性障害の標準的治療とは?(推奨度:★★★★★)

薬物療法

・SSRIを第一選択とし、奏功すれば十分量を、1から2年は継続する。
※SSRI=選択的セロトニン再取り込み阻害薬
・服薬に対して不安が強く拒否的な場合や児童や前思春期、妊娠中、内科的疾患を併発し薬物療法が困難な場合は、認知行動療法を第一選択とし、服薬は保留とする事を検討する。
・抗不安薬は急性期の不安に用いる事もあるが、漫然的に使用しないようにする。
・少なくとも2剤のSSRIを十分量試しても効果が乏しい場合は、非定型抗精神病薬による増強療法を検討する。

心理教育

・強迫症状や臨床像などについて、一般的な知識を提供し、治療や対処法などについて患者とその家族に十分に理解を促し、患者との良好な治療関係を構築し、治療的動機付けを高めるうえで有効である。
・本人の性格や意欲の問題とは別の問題であり、脳の神経回路の問題であること、強迫観念と強迫行為の相互作用によって、症状が持続していることを説明する。
・患者用の参考サイトもある。http://www.npsybt.jp

認知行動療法

・通常薬物療法と併用して行うが、薬剤が使いにくい場合は単独で行う事もある。
・嫌悪刺激を回避せずに直面すること(暴露法)と強迫行為の中断(反応妨害法)を組み合わせた暴露反応妨害法が一般的である。
・治療者用ではあるが、厚生労働省科学研究班作成の認知行動療法マニュアルが公開されている。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113840.pdf

【引用・参考文献】
・樋口輝彦(編) 今日の精神疾患治療指針第二版 医学書院 2016

更新:2020.4.1

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