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強迫性障害に対する脳刺激療法の効果(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、強迫性障害に対する脳刺激療法の効果を調査した研究について紹介します。

 

抗うつ薬に治療抵抗性(一定期間を治療を行っても改善しないこと)の強迫性障害患者25名を、

ランダムに経頭蓋直流刺激(tDCS)治療群、プラセボ群に振り分け、tDCSの効果について比較検討しました。

調査の結果、強迫性尺度(Y-BOCS)の尺度のスコアが、tDCS治療群で少なくとも35%減少し、

その効果はプラセボ群と比較して有意な結果となりました。

ただし、脳深部刺激療法(DBS)、経頭蓋刺激療法(TMS)に関してはエビデンスが蓄積していますが、

電気痙攣療法(ECT)、経頭蓋直流刺激(tDCS)、迷走神経刺激法のエビデンスはまだ限定的なのが現状です。

 

薬のソムリエ
強迫性障害に対する脳刺激療法は、難治といわれる強迫性障害に
対抗する新しい治療手段として注目されています。
エビデンスは蓄積されつつあり、自宅でできるtDCSの効果も、
有効性が示唆されつつあります。
まだサンプル数が少ないので、今後大規模な研究によって、
さらなる効果の検証が必要になるでしょう。

【引用・参考文献】
・Rapinesi Chiara,et al.Brain Stimulation in Obsessive-Compulsive Disorder (OCD): A Systematic Review.Current neuropharmacology 2019 Vol. 17 issue(8)
・Gowda Shayanth M,et al,Efficacy of pre-supplementary motor area transcranial direct current stimulation for treatment resistant obsessive compulsive disorder: A randomized, double blinded, sham controlled trial.Brain stimulation 2019 Jul – AugVol. 12 issue(4)

更新:2020.3.19

 

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