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サラミやソーセージなどの添加物が躁状態の原因になるかもしれない?(推奨度:★☆☆☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、サラミやソーセージなどの添加物が躁状態の原因になる可能性を示唆した研究を紹介します。

 

多動や気分の高揚など、躁状態で入院した患者は、精神障害がない患者と比較して、

入院前に加工肉を食べていた確率が約3.5倍高かったとの結果が示されました。

また、ラットに、バクテリアの繁殖を抑えるための添加物「硝酸塩」が添加された加工肉を

2日に1回与える実験を行ったところ、

加工肉を与えたラットでは通常の餌を与えたラットと比べて睡眠パターンが乱れ、

多動性が高まるなど躁状態に近い行動が見られたほか、

腸内細菌叢の構成にも違いが認められました。

 

研究論文の著者らは、サラミやソーセージなどの加工肉に含まれる「硝酸塩」が、

躁状態を誘発する可能性が示されたと結論付けています。

 

薬のソムリエ
これは著者らも述べていますが、たまに加工肉を食べる程度であれば、
現時点ではそれほど神経質にならなくてもよいかと思います。
今後、どれくらいの摂取量で発症のリスクとなり得るのか、
他の物質で問題となるものはないかなどが判明していけば、
精神疾患のリスクを低減させる食事介入を行えるようになるかもしれませんね。

【引用・参考文献】
Khambadkone SG, et al. Nitrated meat products are associated with mania in humans and altered behavior and brain gene expression in rats.Mol Psychiatry. 2018 Jul 18.

 

更新:2020.5.22

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