皆さん、お大事にされていますか?
薬のソムリエです。
今回は、双極性障害の治療に葉酸が有効である可能性を示唆した研究を紹介します。
双極性障害は、躁状態(テンションが高く、イライラしている状態)と、
うつ状態(落ち込んで物事が楽しく思えなくなる状態)との、相反する状態を繰り返す病気です。
原因としては、神経を保護する因子の不足で、
正常な気分を維持する神経回路がうまく作動しなくなることや、
神経伝達物質の異常な変動などによるものとされています。
さて、今回紹介する研究は、これまでの葉酸の効果を調べた研究をレビューしたものです。
葉酸は、神経伝達物質の合成や調節に関わる重要な成分であるとされています。
一方、双極性障害の治療薬であるバルプロ酸ナトリウムやラモトリギンは、
葉酸の代謝を阻害する可能性があるので、双極性障害の治療者は潜在的な
葉酸欠乏になっている可能性がありました。
先行研究において、うつ病治療における葉酸の効果は一貫して有効である事が示唆されていますが、
そのうち1つの試験では躁状態における有効性も示唆されていました。
従って、葉酸製剤は、気分安定薬に関連する葉酸欠乏を潜在的に修正することが可能であり、
神経伝達物質を正常に合成し、治療に有効である可能性があると考えられました。

葉酸のうつ病への効果については一貫して支持されていますね。
双極性障害に対しては、まだランダム化試験が少なく未確立、
といったところでしょうか。
また、気分安定薬を使っている例に限定して効きそう、
という部分がミソなので、葉酸だけで何とかなりそうという訳ではない
事にも注意が必要です。
双極性障害に対しては、まだランダム化試験が少なく未確立、
といったところでしょうか。
また、気分安定薬を使っている例に限定して効きそう、
という部分がミソなので、葉酸だけで何とかなりそうという訳ではない
事にも注意が必要です。
【引用・参考文献】
Baek JH et al. One-carbon metabolism and bipolar disorder.Aust N Z J Psychiatry. 2013 Aug 22.
更新:2020.5.22
オフラインのためランキングが表示できません