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ヨガはうつ病や不安を軽減させる(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、ヨガがうつや不安を軽減させることを示唆した研究を紹介します。

 

ヨガは、かねてから抗うつ薬や抗不安薬と同様に、

神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)量を増加させることが示されており、

メタアナリシスによっても確認されています。

 

今回紹介する研究は、うつ病患者を対象として、

どれほどの量のヨガが最適かを検討することを目的としたものでした。

研究方法としては、30人の成人うつ病患者に対して、3ヶ月介入を行うこととし、

90分のヨガクラスを週に3回受け、かつ週に4回ヨガの宿題をこなす群を「高用量ヨガ群」、

90分のヨガクラスを週に2回受け、宿題を週に3回こなす群を「低容量ヨガ群」とし、

両者で抗うつ効果を比較するものです。

その結果、両群で抑うつ気分、倦怠感、不安焦燥に対してポジティブな結果になっている事がわかりました。

また、ヨガの効果はヨガに費やした時間が長くなるほど高まる結果となりましたが、

両群間の差は統計的に有意な程ではなかった、との結果が示されました。

薬のソムリエ
精神領域で使用されるマインドフルネスという技術は、
禅の考え方から着想を得ていて、ヨガと似ているところが多いんですよ。
癌患者のうつに対して行ったある研究によれば、
週に1度の介入ですら、治療中止後6ヶ月時点での再発予防効果が
維持されていたとの事です。
類似のものとして、太極拳や瞑想などがありますね。
うつ状態で自宅から出るのが辛くても、スマホを使って自宅で受けるヨガクラスも巷には出回っています。


【引用・参考文献】
・SCOTT, et al. Psychological Function, Iyengar Yoga, and Coherent Breathing A Randomized Controlled Dosing Study. Journal of Psychiatric Practice: November 2019 – Volume 25 – Issue 6 – p 437-450
・Tolahunase Madhuri R,et al.Yoga- and meditation-based lifestyle intervention increases neuroplasticity and reduces severity of major depressive disorder: A randomized controlled trial.Restorative neurology and neuroscience 2018 Vol. 36 issue(3)

更新:2020.4.12

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