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歩行はうつ病予防によい?(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、歩行がうつ病予防によいことを示唆した研究を紹介します。

 

今回紹介する研究では、

運動がうつ病の発症を予防するかを検証した論文をメタアナリシスで検討・分析したところ、

身体活動とうつ病の発症リスクには負の相関があり、運動はうつ病の発症を予防する

可能性が示唆されました。

また、身体活動がどのようなレベルであっても、

(1週間あたりに150分未満のウォーキングなどの低い負荷であっても)

うつ病の予防に有効な可能性があることが示されました。

 

他方、一日4000歩以上歩く人は、そうでない人と比較してうつ病の発症率が1/3になる報告があります。

これについては、日光によりセロトニン分泌が促進されたり、

歩行(早歩きがよい)による筋肉への負荷が神経栄養因(BDNF)を作り出し、

それがセロトニンの働きを助けるためではないかと考察されています。

なお、過剰に歩いても予防効果は変化がないことも示唆されました。

 

薬のソムリエ
実臨床でも、活動を促すことで抗うつ効果を期待することはよくあります。
行動活性化療法と呼ばれ、広く親しまれています。
ただ、無理な活動をすると患者さんが自信をなくしてしまうことがある
ので、目標の設定には注意が必要ですね。
週1-2時間の運動でうつ症状を改善させたとする報告もありますので、
少ない負荷からやってみるのはいかがでしょうか。

【引用・参考文献】
・GeorgeMammen et al, Physical activity and the prevention of depression: a systematic review of prospective studies.American Journal of Preventive Medicine,Volume 45, Issue 5, Pages 649-657,November 2013
・Yukitoshi Aoyagi , Roy J Shephard,Habitual Physical Activity and Health in the Elderly: The Nakanojo Study,Geriatr Gerontol Int,10 Suppl 1, S236-43,Jul 2010

更新:2020.4.12

 

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