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果物や野菜は、うつを予防する?(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、野菜や果物がうつを予防することを示唆した研究を紹介します。

 

昔から、うつ予防によい栄養素というのは報告されており、

たとえば、脂肪酸(EPA)を一日307mg摂取するとよい(青魚111g程度/day)とか、

ビタミンB12、ビタミンD、葉酸、トリプトファン、鉄、亜鉛などがよいとされます。

 

今回紹介する研究では、

韓国の国民健康栄養調査に参加した19歳以上の成人4349人のデータを分析に用い、

うつ病の評価には自記式質問紙PHQ-9を使い、食物や栄養の摂取量は毎日思い出してもらい、

記録がとられました。

複数の交絡因子で調整した後、ロジスティック回帰分析で推定したところ、

うつ病の有病率は、野菜や果物の摂取量が増加するにつれ、有意に減少しました。

(男性6.4%から2.5%、女性11.4%から6.6%)

また、年齢、エネルギー摂取量、肥満、喫煙、飲酒、ストレス、外食頻度と朝食の有無などで結果を調整後も

傾向は変わらず、野菜や果物の摂取量とうつ病の有病率の低さが関連している事が示されました。

 

薬のソムリエ
日本人には鉄、葉酸、トリプトファンの不足が多いので、
野菜や果物に多く含まれる葉酸やトリプトファンが、
ひょっとしたらうつ予防に効果的に働いていたのかもしれません。
また、鉄の吸収を助けるビタミンCも野菜や果物に多く、
その点もいいかもしれないですね。

 

【引用・参考文献】
・Ju SY, et al. Low fruit and vegetable intake is associated with depression among Korean adults in data from the 2014 Korea National Health and Nutrition Examination Survey.J Health Popul Nutr. 2019;38:39
更新:2020.4.12

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