皆さん、お大事にされていますか?
薬のソムリエです。
ビフィズス菌などの乳酸のことをプロバイオティクスと言いますが、
今回は、プロバイオティクスが不安やうつ症状を改善する可能性を示唆した研究を紹介します。
プロバイオティクスが、不安やうつ、過敏性腸症候群に効果があることを示唆する論文は、
かねてから発表されていました。
この研究では、全般性不安障害と診断された48人の患者を、
乳酸菌などのプロバイオティクスを服用させる群と、プラセボ群に分け、8週間連日投与し、
不安が軽減するのか評価しました。
なお、プロバイオティクスのカプセルには、ビフィドバクテリウムロンガム、
ビフィドバクテリウムビフィダム、ビフィドバクテリウムラクティス、ラクトバチルスアシドフィルスなど
複数の菌種が含まれていました。
4週間以上問題なく服用を終えた39人の患者で分析したところ、
プロバイオティクスを服用した群は、プラセボ群に比較して有意に不安症状が軽減していました。

ちなみに、先天性不安のマウスに、ビフィドバクテリウムロンガム、ビフィドバクテリウムブレーべを投与したところ、ロンガム治療群ではストレス誘発性高体温を低下させ、一方ブレーべ治療群ではうつ様行動を軽快させた、という研究があります。
マウスと人間では、違うのかもしれませんけどね・・・。ご参考に。
【引用・参考文献】
・Eskandarzadeh Sevda,et al.Efficacy of a multispecies probiotic as adjunctive therapy in generalized anxiety disorder: a double blind, randomized, placebo-controlled trial.Nutritional neuroscience,2019Sep13
・Savignac HM, et al. Bifidobacteria exert strain-specific effects on stress-related behavior and physiology in BALB/c mice.Neurogastroenterol Motil. 2014 Sep 24.
更新:2020.5.22