みなさん、お大事にされていますか?
薬のソムリエです。
今回は、マインドフルネスアプリがうつ病の残存症状に効果的であることを示唆した研究を紹介します。
マインドフルネスとは、現在に注意を向けるプロセスをいい、瞑想などに代表されます。
マインドフルネスのうつ病への有効性はかねてから指摘されていますが、
アプリでも有効だったよ、という主旨の研究です。
この研究では、うつ症状が残存している成人460例を対象に、
マインドフルネス認知療法のアプリと、通常の抑うつケアの有効性を無作為化臨床試験で評価したところ、
(ここでいう無作為化とは、被験者をランダムに振り分けることを指しています。)
残存したうつ症状の重症度は、アプリを併用した群が通常ケア単独の群よりも、
有意に低下(P<0.02)したことが認められました。
また、当該アプリ併用群は、うつ症状の寛解(病状の治まり)が多い(P=0.008)ことや、
抑うつ再発率が下がる(39%の低減(P<0.03))ことが有意に示されました。
なお、P値は統計に用いられるもので、ここでは当該アプリ使用群とそれ以外の群とで観察された差が
生じる確率のことで、一般に0.05未満で有意とされています。
(つまり、それだけ滅多にないことが起こっている、すなわち有意な影響が生じているという解釈)
ただし、副次項目とした抑うつのない日数、不安症状の減少、身体機能には
統計学的有意差はありませんでした。

自宅で気軽にメンタルケアできる時代が来たんですね。
JAMAの論文なので信頼性もあります。
実験で使ったアプリは海外のものですが、
日本のアプリもあるのでご紹介しますね。
評価もなかなか上々です。
【引用・参考文献】
Segal ZV, et al. Outcomes of Online Mindfulness-Based Cognitive Therapy for Patients With Residual Depressive Symptoms – A Randomized Clinical Trial. JAMA Psychiatry. 2020 Jan 29.