皆さん、お大事にされていますか?
薬のソムリエです。
今回は、ダークチョコが認知機能(判断力など)を向上させる効果があることを示唆した研究を紹介します。
思わずダイエットを忘れてしまいそうな、なんとも魅力的な話ですね。
今回紹介する研究では、20歳から31歳の学生18人を対象に、
ダークチョコレートを1日24g摂取する群とホワイトチョコレートを1日24.5g摂取する群に分け、
30日間連日摂取させたものです。
そのうえで、認知機能を、文字を瞬時に読み取ったり、色を即座に識別するというテストで測定し、
チョコレートによる介入前後でそれぞれ評価しました。
なお、その間カフェインの摂取を一定までに制限し、決められた量以外のチョコレート摂取を禁止しました。
その結果、ダークチョコレート摂取群では、統計的有意差をもってテストの正答数が増加しており、
しかもその結果は介入終了から3週間後も維持されていました。
また、カカオの成分であるテオブロミンの血中濃度を、
チョコレート摂取開始前、30日後、そしてその3週間後にも測定したところ、
介入終了から3週間後はテオブロミンの血中濃度が通常レベルに戻っていました。
この研究論文の筆者らは、
「ダークチョコレート摂取によって血中の神経成長因子(NGF)とテオブロミンが上昇し、
認知機能の向上が認められたと考えられるが、なぜ3週間も認知機能が高い状態が続いたのかに関しては、
まだ不明であるので今後の検討が必要」と述べています。

カカオ成分が有効なのでしょうか。
3週間後も効果が維持されているところがミソで、
どれくらい効果が維持されるのか、さらなる研究が待たれます。
まだ小規模な研究なので、大規模な研究でどうなるのかということと、
被験者が認知症患者でないので認知症への効果はどうか、
というところが気になってます。
私もチョコレートは大の好物なのですが、
焦ってチョコレートを食べ過ぎるにはまだ早いかもしれないです。
あとこれは関係ないですが、ダークチョコレートは視力やコントラスト感度
を改善するという研究もあります。神経への保護作用があるのでしょうか。
【引用・参考文献】
・Sumiyoshi E, et al. Sub-Chronic Consumption of Dark Chocolate Enhances Cognitive Function and Releases Nerve Growth Factors: A Parallel-Group Randomized Trial.Nutrients. 2019; 11
更新:2020.4.6
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