皆さん、お大事にされていますか?
薬のソムリエです。
今回は、カマンベールチーズが認知症予防に有効であることを示唆した研究を紹介します。
本当なら、なんともおいしい話ですね。
さて、チーズなどの発行乳製品の摂取により、認知機能低下が予防され得ることは、
疫学的にも既に報告されていましたが、その詳細なメカニズムや有効成分はわかっていませんでした。
ホエイやカマンベールチーズに多く含まれるWYジペプチドは、
脳内清掃細胞であるミクログリアの活動を抑制し、
空間記憶やエピソード記憶などを改善する効果がある事が判明しました。
また、アルツハイマー病のモデルマウスに発症前からWYペプチドを投与すると、
アルツハイマー病の原因の1つと考えられてきたアミロイドβ蛋白が除去され、
さらに炎症状態も抑制され、かつ認知機能低下も抑制されることが示されました。

アルツハイマー病の予防策になり得る、夢のある研究だと思います。
現状はマウスでの効果ということですが、ヒトでの効果、
さらには適切な摂取量の確立が待ち遠しいです。
とりあえずカマンベールチーズは私のおつまみと化しました。
【引用・参考文献】
・Yasuhisa Ano,et al.Novel lacto-peptides in fermented dairy products improve memory function and cognitive decline.Neurobiology of Aging 2018.07.16
・Yasuhisa Ano,et al.Preventive effects of a fermented dairy product against Alzheimer’s disease and identification of a novel oleamide with enhanced microglial phagocytosis and anti-inflammatory activity.PLoS One. 2015 Mar 11;10(3)
・Yasuhisa Ano,et al.Identification of a novel dehydroergosterol enhancing microglial anti-inflammatory activity in a dairy product fermented with Penicillium candidum.PLoS One. 2015 Mar 11;10(3)
更新:2020.4.6
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