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脳刺激法が高齢者の認知機能を回復させる?(推奨度:★★☆☆☆)

皆さん、お大事にされていますか?

薬のソムリエです。

今回は、脳刺激法が高齢者の認知機能を回復させることを示唆した研究を紹介します。

 

  経頭蓋直流刺激(tDCS)は、脳刺激の非侵襲的(体に負担を与えないこと)な形態であり、

自宅で治療可能なデバイスで、高齢者のワーキングメモリーを改善させる可能性を指摘されていました。

 

今回紹介する研究では、実際に高齢者に対し両側前頭部(F3/F4)に2mAで12分間tDCSを行い、

N −back課題でワーキングメモリを評価したところ、刺激中のワーキングメモリが改善しました。

また、64歳以上の高齢者15人を対象とした、 tDCSよりさらに深い脳領域に刺激を与えられる

TMSを用いた研究では、

頭頂葉に対する5日間の継続刺激により、記憶力が向上している事が示されました。

ただし、認知機能の改善効果は1週間後のフォローアップ検査時には消失していました。

 

この研究論文の著者らは、刺激条件を変更することで、

効果の持続時間を伸ばせる可能性もあるのではないかとコメントしています。  

薬のソムリエ
薬物療法以外の方法で神経伝達を促すという発想ですね。
脳刺激により、脳血流や代謝に影響を与え、
脳そのものを強化できる可能性はあり得ると思われます。
ただ、現時点では効果が持続するというエビデンスはないため、
今後の研究が待たれるところです。
tDCSは毎日自宅でできるので、悪くないかもしれません。
 
 
【引用・参考文献】 ・ Nicole R,et al.Effects of in-Scanner Bilateral Frontal tDCS on Functional Connectivity of the Working Memory Network in Older Adults.aFrontiers in aging neuroscience2019Vol. 11 ・Nilakantan AS, et al.Network-targeted stimulation engages neurobehavioral hallmarks of age-related memory decline.Neurology. 2019 Apr 17.
 
更新:2020.4.6
 
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