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オメガ3脂肪酸は、不安症状に対して効果的(推奨度:★★★☆☆)

皆さん、お大事にしていますか?

薬のソムリエです。

今回は、青魚などに多く含まれるオメガ3系脂肪酸が、

不安症状に対して効果があることを示唆した研究を紹介します。

 

実はオメガ脂肪酸の研究の歴史は古く、1980年代から研究が始まっていました。

古くはイヌイットの人たちが魚を多く摂取しており、精神疾患のリスクが低かったことから

研究が始まったとされています。

ただ、オメガ3系脂肪酸が、不安症状の軽減に効果があるかどうかについては、

これまでの報告ではバラつきが多く、サンプルも少なく信頼性は高くありませんでした。

今回紹介する研究では合計19件の臨床研究をメタアナリシスで検討し、合計2,240人の患者を解析しました。

(メタアナリシスとは、複数の研究の結果を統合して分析することです。)

 

分析の結果、オメガ3系脂肪酸を摂取した群はオメガ3系脂肪酸を摂取していない群と比較して、

不安症状が軽減されることが明らかとなりました。

また、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱えている人を対象にした場合に、

さらに抗不安効果が大きいことが示され、

オメガ3系脂肪酸を少なくとも2,000mg/dayで摂取してもらった場合に、

抗不安効果を認めることが示されました。

 

なお、この研究論文の著者らは、

オメガ脂肪酸の中でもエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、

そして植物由来のアルファリノレン酸のいずれが不安軽減に最も有効であるかの検討や、

がん再発不安と血中オメガ3系脂肪酸濃度の関連を確認する必要性があると述べています。

 

薬のソムリエ
本研究では、EPAやDHAなどのω脂肪酸の量は、少なすぎると効果が薄れるとの結論ですが、
だからと言って多ければ多いほど良いのかは疑問があります。
うつ病と不安障害は併存も多く、全く異なる病態基盤でもなさそうな印象ですが、
うつ病予防に対するω脂肪酸の使用量と、不安に対する使用量では乖離がありすぎます・・・
その点が気になるところですが、今後、研究が進んで最適な量がわかるのかもしれません。
オメガ脂肪酸は、実は不安障害だけでなく、統合失調症の初期、
うつ病、双極性障害のうつ状態、認知症や境界性人格障害にまで
ある程度の有効性が示唆されています。
後々それらについても報告をアップロードしていくので、
チェックして下さいね。


【引用・参考文献】
・Su KP,et al.Association of Use of Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids With Changes in Severity of Anxiety Symptoms: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Network Open,2018.2327.
・Li ZH, et al. Associations of habitual fish oil supplementation with cardiovascular outcomes and all cause mortality: evidence from a large population based cohort study.BMJ. 2020;368:m456

更新:2020.4.8

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