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精神科とは?初めて受診する時に知っておきたいこと。

 

精神科医

みなさん、お大事にされていますか?

どうも。薬のソムリエです。

今日は、そもそも精神科を受診した事がない方向けの記事を。

そもそも精神科ってどんなところか?という内容を書こうと思います。

世の中の声を聞くと、精神科、大好き!という方はほぼいないので…(むしろ嫌われているイメージ)。

このイメージ、精神科がどんなところかわからないからっていう

ことから増幅されている気がするんですよ。

なので、そうした疑問に答えることで、否定的なイメージを少しでも払拭できればいいなと思います。

そもそも精神科というのは、

気分の落ち込みやイライラ、幻覚や妄想などの精神症状が出現する病気を診る

医療機関です。

脳が原因だったり、物事の考え方(認知)の歪みが原因だったり、

あるいは両方が疾患の発症に関連している病気(=精神疾患)を扱います。

以下に、受診を初めて検討している方が陥りやすい疑問についてお答えしていきますね。

精神科でできることは?

精神科の機能としては、身体的検査、薬物療法、診断書の発行があります。

その他、医療機関によっては、カウンセリング(精神療法)、精神科リハビリテーション機能を備えています。

精神科における身体的検査
①身体的検査
精神症状をきたす疾患の背景に、内科的疾患が関係していることがあります。
てんかんや脳炎、悪性腫瘍、内分泌疾患などは自覚症状に乏しいことから、
それらの可能性を除外するために採血検査や脳波検査、画像検査などが行われます。
検査結果次第では、最適な診療科に紹介される可能性があります
②薬物療法
統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、大うつ病性障害(うつ病)などに対して、
薬物療法が有効なことがあります。また、発達障害や神経症にも適応となる薬剤があります。
病態を適切にとらえ、最適な薬物療法ができる可能性が最も高い場所が、精神科といえるでしょう。
③診断書の発行
職場でのストレスなどが原因となり発症したうつ病や適応障害などの病気は、
ストレスを避ける環境が必要で、そのために診断書が必要となることが多いです。
また、障害者手帳の取得や自立支援医療の申請などを利用するために、主治医の診断書が必要です。
医療機関によっては以下も可能となります。
④カウンセリング(精神療法)
薬物療法では、考え方そのものを根本的に変えることはできません。
しかし、ある種の思考の癖により、うつ病やパニック障害、強迫性障害などの傾向が強くなることがあり、
カウンセリングは、そのような方にお勧めの治療法です。
様々な技法がありますが、代表的な精神療法に認知行動療法(CBT)があります。
ただし、保険診療の枠内で治療を受けることは難しく、
コストがかかってしまう自由診療で行うことが多いことが弱点です。
⑤精神科リハビリテーション
施設によっては、日帰りで行える精神科リハビリテーションがあります。精神科リハビリテーションでは、
精神疾患により失われた社会機能を回復し、維持するための活動を行います。
具体的には、復職支援のための軽作業や集団精神療法を行ったり(リワーク)、文化的な活動やレクリエーション、生活技能訓練を行ったり(デイケア・ナイトケア)、疾患についての理解を深めたり(家族教室や自助グループ)するものがあります。

精神科の受診料は?

受診料
精神科の初診の診察料は、医療保険制度を使うと3割負担になります。
初診料と診察料で約2,100円程度、他に検査やお薬、書類の発行などで増えていきます。
お薬に関しては、処方せんが発行される場合が多いので、
薬局での薬剤費まで合わせた全費用は3,500~7,000円程度を見積もっておきましょう。
具体的な値段に関しては、受診する予定の医療機関にあらかじめ問い合わせていただくと、
より間違いがないかと思います。

 

どのタイミングで精神科を受診すべき?

どんな些細な気持ちの変化でも、受診してはいけない基準というのは無いです。
つらくなったら、いつでも受診して下さい。
特にかんたん診断の結果、病的な症状が疑わしいと判断された場合は、早めの受診がお勧めです。
精神的な辛さの他、自律神経症状をはじめとした身体の諸症状が出現する場合がありますので、
・立ちくらみ、めまい
・頭痛
・耳鳴り
・肩こり・腰痛
・下痢、便秘、食欲不振
・口の渇き
・喉の閉塞感や違和感
・ほてりや冷え性
などでお困りの場合も、受診を検討して下さい。

精神科と心療内科、神経内科の違いは?

医療機関

医療機関の看板に書かれている診療科目名はさまざまです。

ご自身の症状で、どの科を受診したらいいのか、という疑問は

多く寄せられます。

①精神科、精神神経科
「精神科」と「精神神経科」は同じ科を意味しています。
統合失調症や双極性障害、うつ病、不安障害、強迫性障害や身体化障害などを診断・治療する科であり、
抑うつ気分や不安・恐怖、幻覚や妄想など、精神的な症状が得意です。
身体疾患が原因で精神的な症状が出現することもありますが、
そうした原因を特定できても、その身体疾患を治療する事は苦手です。
 心療内科
ストレスが関係した身体疾患(胃潰瘍、気管支ぜんそくなど)を主な対象としています。
精神的な症状の原因になっている身体疾患を治療するのも得意です。
精神疾患そのものは、状態が軽ければ治療できる事もあります。
しかし、精神科という名前からくる、あらぬ偏見を恐れ、
あるいは、語感としてのポジティブな効果への期待から、
あえて「心療内科」や「メンタルクリニック」を名乗っている精神科医もおり、
心療内科を名乗っていても、実際には精神疾患を診ることができる医療機関もあります。
③神経内科
精神科が神経伝達物質の異常など、ミクロを診る科だとすれば、神経内科は画像検査などである程度病態がわかる、マクロを診る科だと言われます。
具体的にはパーキンソン病や脳梗塞、神経炎や重症筋無力症など、脳、脊髄、神経、筋肉の病気を診ています。
精神的な病気は診ていませんが、認知症などの一部の疾患は、精神科でも神経内科でも共通して診ている病気があります。

 

いろいろな精神科があるけれど、どの医療機関に行けばいいの?

医療機関

医療機関によって、それぞれ特徴があります。

自分の病状や生活スタイル、その他要望などを考慮して選択しましょう。
①精神科診療所(クリニック)
診療所(クリニック)は、気軽に受診できる雰囲気があり、
交通の便がよいところにあることも多いです。
クリニックでは、原則、お薬の処方がメインとなりますが、
心理療法士のカウンセリングが受けられたり、デイケアを実施しているクリニックもあるなど、
それぞれの強みがあります。

また、例えば、通常の外来診察はクリニックで行いながら、

別の医療機関のデイケアを利用する、ということも可能です。

ただし、入院用のベッドはないことが多いため、入院治療が必要となった場合には、

他の機関との連携が必要となる場合があります。
②精神科単科病院
入院が必要となった患者さんのために、入院が可能な施設です。
そのため、比較的重症、もしくは慢性期の患者さんが多いです。

精神科医が複数勤務し、ケースワーカーや作業療法士などのスタッフも在籍しているため、

包括的な精神医療が可能です。

デイケアが充実している病院が多いほか、
精神科救急、思春期外来、依存症など、特に高度な専門性による治療を行っている病院もあります。
③総合病院の精神科
内科や外科、産婦人科など様々な診療科目を持つ総合的な病院で、
その中に精神科がある場合がこれに該当します。
そのため、内科疾患の関与が疑わしい場合や、身体と精神の病気を一緒に診てもらいたい場合などに、
色々な医療機関を受診して回らなくても済むというメリットがあります。
ただし、そのような病院を受診する場合、紹介状がないと追加料金がかかりますので、
まず、地域の中小病院・診療所を受診したうえで、
大きい病院の受診を検討するとよいかもしれません。
デイケアなどのリハビリテーションの充実度は、
その病院によって異なりますので、
ホームページなどで詳細を確認するのも手でしょう。
これら①から③の特徴を簡単に図示するとこうなります。
診療所(クリニック)精神科単科病院総合病院(大学附属病院など)
予約のしやすさ
×
専門家の多さ
治療オプションの充実度
(持効性注射剤の有無、カウンセリングや精神科リハビリを行なっているか)
×
入院の可否×
他科連携××
費用

精神科以外に、相談できるところはあるの?


はい、ございます。

精神疾患があると、日常生活や経済面、就労などにも支援が必要になることがあります。

そのような時、頼りになる相談窓口がありますので、

以下の機関にご相談いただくのもよいかもしれません。

精神保健福祉センター
自立支援医療や精神障害者保健福祉手帳などの制度の申請のほか、
精神保健福祉に関する一般的な相談を受け付けています。
また、社会復帰に関する情報提供なども行うことがあります。
なお、自治体により別の名称がつくこともあります。
お近くの精神保健福祉センターを探すには、
全国の精神保健福祉センターを参照してみてください。
②保健所「こころの相談」
精神科医療機関に初めて受診するときや、受診中に困ったときなど、
保健師が相談に乗ってくれます。
精神疾患が疑われる家族の相談などがありましたら、
まずはお住まいの近くの保健所に相談することをお勧めします。
障害者就業・生活支援センター
障害のある人の自立や安定した職業生活の実現を目指す支援機関です。
相談内容に応じて、職業準備訓練へのあっせんや、
就労移行支援、職場定着支援や職業生活への助言などを実施しています。
受けられる支援に関する詳細は、厚生労働省のHP「経済的な支援」をご参照下さい。
地域活動支援センター(活動支援センター・地域生活支援センター)
日中の活動の場がない場合に、
通所して創作的な活動や生産活動を行う場を提供する機関です。
例えば、オープンスペースの提供や地域交流などがあります。
そのほか、生活に関する一般的な相談をすることも可能で、
医療とは異なる視点から、一緒に解決策を考えてもらう事ができます。

入院治療

精神科を受診して、入院を勧められたら?

入院の目的は、
薬の調整のための入院、生活習慣の改善のための入院、依存症に対する教育のための入院、
あるいは、リハビリテーションのための入院、家にいては休息がとれない場合の入院などさまざまです。
ただし、幻覚や妄想がひどく生活が破綻している、
自殺念慮や興奮のため自傷や他害の危険性が切迫している、
ご飯が食べられなくなって生命維持が困難など、
様々な理由から通院治療が困難だと判断され、入院がどうしても必要な場合にもかかわらず、
入院の必要性をご理解いただけない場合には、
医療保護入院といった強制入院の形態がとられる場合があります。
強制入院というと、不当に拘束されるのではないかという偏見がありますが、
長期にわたる隔離や拘束が必要になる方はごく一部です。
毎日、多職種でそのような行動制限が緩和できないかの話し合いが行われているため、
行動制限は最小限になるように工夫されています。
また、どのような時でも、弁護士や行政機関の職員、人権擁護団体などに対する手紙や電話といった、
通信手段の制限はできないことになっており、
万が一、不当に行動制限を受けていると思われる場合は
助けを求められるようになっています(場合によっては第三者機関が病院を訪ねてくる事があります)。
面会の制限についても、治療上必要な場合に限っては、
本人や家族に説明の上で制限することができますが、
本人が弁護士や「人権を擁護する行政職員」と面会することだけは制限できません。
入院中の治療には、薬物療法と並行して精神療法、作業療法、レクリエーション、
退院に向けた生活技能訓練など、豊富なリハビリテーションのメニューが用意されています。
精神科の入院治療に関しての詳細に関しては、

精神科医

精神科医に症状をどう伝えればいいの?

一般的な保険診療では、

初診で30分程度、再診で10分程度しか時間を割く事ができません。

患者さんの生育環境や生活背景はもちろん、

症状や経過を充分に捉えるにはあまりにも短時間です。

そこで、より治療がうまく行く確率を高めるために、

お願いしたい事があります。

症状は、以下の4点を意識して、簡潔にお話いただきたいのです。

①いつ頃から

②どんな理由で(あるいは理由なく)

③どのように始まって(突然に?次第に?)

④今に至るまでどのような形で症状が続いているか
(ずっと持続しているか?出来事によって左右されるか?など)

いくつか例をご紹介しましょう。

良くない例△

派手目な女性
気分が落ち込むんですけど。なんでかな…彼氏に冷たくされたり、職場のストレスがチリツモで、そうなったのかもしれませんね。
でも私〜そんな感じのキャラじゃなかったから自分でもビックリして。
友達からも「ちょっとオカシイんじゃない?」って言われて!最近だともういなくてもいいんじゃないかな〜って考えるくらいいには凹んでるんです。もう!彼氏ももう少し優しくしてくれていいのに…。あ!そういえば、高校の時も似たことがあって〜…。その時も彼氏が…(続く)

 

良い例◎

控えめな女性
高校生の時も、落ち込んで学校に行けなかった時期がありましたが、勝手によくなりました。その後は特に困りごとはなかったのですが、先月頃から、特に理由なく、徐々に意欲が落ち込んで趣味に手をつけられなくなりました。同じ頃から自分を責めています。

 

いかがでしょうか。

二人の女性の例を取り上げましたが、精神科医目線では、後者の方が圧倒的に

わかりやすく、かつ情報量が多いのです。

というのも精神科医は初診のとき、患者さんの病態を正しく把握し、治療方針を立て、

いかなる方法で助力できるのか、という視点でお話を聞いているからです。

話を聞いて受容・共感するのが精神科医だと考えている患者さんもおられるのですが、

30分足らずでは、共感と助力を両立するのは難しいのです…

本当は話を聞いてほしいだけだったのに、

初診で、「なんか思ったのと違った!」と思ってしまって

受診の継続をあきらめてしまうのは、もったいないことです。

臨床心理士のカウンセリングを受けてみてからでも、

通院を断念するのは遅くありません。

 

精神科医は、

話を聞いてあげるだけでよくなる人か?
薬が必要か?使うとしたらどのようなタイプか?
どんな支援が受けられるか?

という事を考えながらで話を聞いているので、患者さんが話したいことと、

医師側が聞きたいことは、若干のギャップが生じてしまっています。

大切なのでもう一度いいますが、

治療の効果を最大にするためにも、

①いつ頃から

②どんな理由で(あるいは理由なく)

③どのように始まって(突然に?次第に?)

④今に至るまでどのような形で症状が続いているか
(ずっと持続しているか?出来事によって左右されるか?など)

を意識してお話いただけると助かります。

「そんなに頭が回転しないから精神科に受診しているんじゃないか」

とか

「無理だよ」という指摘はごもっともですが、

そういう方は話したい内容をメモしておくと、

医師に正しく情報を伝えられ、ひいては正しい診断、治療に至る可能性が高まるでしょう。

精神科への否定的イメージ

精神科医うさんくさい。怖い。嫌い。

そうですか・・・。

私たちは、そんなアナタが大好きです!

精神科はいつでもウェルカムです😆

それでは、既に受診されている方も、そうでない方も。

お大事に。

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更新:2020.4.17

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